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更新日:2023.06.1

今月の一冊(6月)を更新しました。

『王さまになった羊飼い

チベットの昔話です。

貧しい羊飼いの男の子は、自分も空腹なのに、うさぎに食べ物を百日も分け続けました。うさぎは実は神様で、お礼に男の子に望みの宝物を授けるといいます。すると、男の子は、話し相手がいなくても寂しくないように、動物の言葉が分かるようにして欲しいと願うのです。

男の子は、動物の言葉が分かるようになったことで、色々なことに出くわします。その様子を見ていると、男の子の生来の優しさは、一見災いの元にも見えます。しかし最後には王さまとなり人々と動物とともに幸せになる、という結末には、昔の人々の人生や世の中に対する願いが込められているのかもしれません。

チベットの風景や風俗を色彩豊かに伝えてくれる絵が、お話の世界に厚みを持たせてくれています。

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