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池浦館長

更新日:2012年11月1日
「だぶ」〜食も地域の文化です。

 街路樹の木々の葉も色づく時期です。もうすっかり秋らしくなりました。
 お隣の福岡工業大学では、今年で46回目を迎える『立花祭』が開催されます。付近住民も楽しみにしている学園祭をはじめ、各種講座やコンサート、野外ウォーキングなどイベントが多いのもこの季節ならではですね。秋ならではの賑わいを感じられることを、とても嬉しく感じております。
 さて秋と言えば文化やスポーツなどですが、実りの秋ですからおいしい食べ物がたくさんあります。サツマイモや栗、カボチャなど秋のデザートやお菓子も良いですが、今回は地元ならではの「食」を紹介したいと思います。それは『だぶ』と呼ばれる家庭でつくる郷土料理です。
 だぶとは簡単に説明すると、季節のお野菜がたくさん入った、お吸い物と煮物の中間のような汁物の料理です。かしわ(鶏)やアゴ(トビウオ)、昆布などのダシを取って、そのさっぱりとしたダシで、小さく切った里芋やゴボウなど根菜を煮ます。仕上げにくず粉でとろみをつけて、はな麩(ふ)を浮かべてお椀に盛りいただく、とても温かい料理です。
 祝いの席にも並びますが、贅沢な料理ではなく、各家庭にある野菜の残りなどを使った素朴な一品です。家庭でだぶをつくったりいただいたりする度に、地域の恵みがもたらしたこの味、食こそが文化だと考えたりします。和食という日本文化の良さ、お米と味噌汁とのバランスの良さが見直されている今だからこそ、郷土料理を地域ならではの恵みとして味わいたいものです。



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