『にんぎょひめ』
海の底に住む人魚姫は、十五歳になった時、憧れていた海の上の世界をのぞきにいきました。その時に助けた人間の王子様に会いたくて、自分の声とひきかえに、人間の脚を魔女からもらった人魚姫。地上で王子様と再び会えたのですが、やがて王子様は別の女性に恋していることを知るのです。
アンデルセンの代表作として皆が知っているこの話に、いわさきちひろさんが、独特の淡い透明感のある色調で絵を描いています。水彩のぼかしの色合いには暗い色も使われ、悲しみを含んだこの物語の奥深い世界を表現しているように思えます。