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今月の一冊アーカイブ



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ひゃくにんのおとうさん
コミセンわじろホームページ「今月の1冊」原稿
『ひゃくにんのおとうさん』こどものとも世界昔ばなしの旅
譚 小勇/文  天野 祐吉/文  福音館書店  2005.9 ISBN:4-8340-2123-8
むかし、むかし、中国の山奥にある小さな村に、貧しいけれどつつましく暮らす夫婦がいました。ある日、2人で畑を耕していると、土の中に大きな壺が埋まっているのを見つけます。どこにでもあるような壺ですが、なんと入れたものが100倍になる魔法の壺でした。夫婦はその壺で増えた鍋や笠を村人達に配ってあげます。しかし、そのうわさを聞きつけた強欲な地主は、夫婦から壺を無理やり取り上げます。ところが、壺の取り扱いを誤り、とんでもないことが起きてしまいます。
いったい何が起きるのかは読んでのお楽しみ。登場人物たちのコミカルな表情にご注目。最後のページを読み終えても、続きのページを探してしまいそうになる絵本です。
もりのてぶくろ
『もりのてぶくろ』(幼児絵本ふしぎなたねシリーズ)
八百板洋子 ぶん ナターリヤ・チャルーシナ え 福音館書店 2010.9
ISBN:4-8340-2580-4
黄色く色づいた葉っぱが一枚、森に落ちていました。まるで「てぶくろ」のような形です。森の動物たちが、葉っぱに手をあててみます。大きかったり、小さかったりして、なかなかぴったり合いません。しばらくたって、通りかかった男の子が手をあててみると・・・。静かで優しい、秋の森のおはなしです。絵本で秋を感じてください。写実的な動物の絵も魅力的です。
水は、
山下 大明/写真・文 福音館書店  2012.11 ISBN:4-8340-2756-3
空から降ってきた雨が、森や土に蓄えられ、やがて蒸気となって空へのぼり、また雨雲になる。
天地をめぐる「水」の営みが、山下大明さんの写真と文で綴られています。この本には少ない文章しかありません。しかし、言葉ひとつひとつの奥深さを、山下さんの写真が見事に表現しているように感じられます。
花や昆虫たちが水によって潤っている姿や、水そのものの造形の美しさに魅了されつつ、水の循環の広大さに心が揺さぶられます。
うみのあじ
たけがみ たえ/作 あかね書房  2019.7 ISBN:4-251-09926-6
犬の「べら」は飼い主の親子と初めて海へやってきました。海の中を知りたくて、海に顔を入れた「べら」でしたが、水の中で目が合った誰かに体をまきつかれてしまいます。「べら」はいったいどうなるのでしょうか。
「べら」が海の水をなめた時に感じた辛さや、海風の気持ちよさなど、五感でたっぷりと海を味わうことができます。躍動感が伝わる迫力のある絵に引き込まれます。
せんろはつづくにほんいっしゅう
『せんろはつづくにほんいっしゅう』
鈴木 まもる/文・絵 金の星社 2021.9 ISBN:4-323-02472-1
1872年に新橋と横浜の間に日本で初めての鉄道が開通して150年。今では500以上の路線が通うようになりました。かようなわけで地域によって路線と路線が入り混じりますが、新幹線、電車、貨物列車など日本全国の代表的な鉄道車両と路線を紹介しています。各地の名物や駅弁などのイラストもあり、見ているだけで日本一周した気分になれる絵本です。鉄道が大好きなお子さんや大人の方におすすめです。
くるまがいっぱい!
『くるまがいっぱい!』
リチャード・スキャリー/さく 木坂 涼/やく 好学社 2019.9 ISBN:4-7690-2239-8
赤いトラック、黄色いバス、青い車、緑色のジープなど、色あざやかな車がたくさん登場します。乗り物ばかりではなく、手紙や食べ物などを運ぶ車、パンクした車をひっぱっていくレッカー車など、さまざまな役割をもつ車のこともわかります。少し昔の外国の乗り物ですが、見ているだけで楽しい気分になれる絵本です。
ことりのピチコ
「学研おはなし絵本」 どい かや/[作] 学研 
分類:E ISBN:4-05-203096-3 マーク番号:09001766 タイトルコード:1000000422818
ピチコはこの春生まれたばかりの小鳥です。お母さんやお父さんに大切に守られて、虫の捕り方や羽ばたき方を覚えていきます。そんなピチコが初めて一羽で遠出をした日、森の中で宝物のビーズを落とし困っている女の子と出会い…。
4月は入学入園など、たくさんの新しいことに出会う季節です。少しの不安と大きな期待で胸がいっぱい。小鳥のピチコも新しい出会いに大きな目をくるくるキラキラさせています。
優しい絵柄と色遣いに癒される一冊です。
ネコヅメのよる
町田 尚子/作 WAVE出版 2016.5 ISBN:4-87290-943-2
文章を書き、絵を描いた町田尚子さんは、自分が飼っていた猫をモデルにしてこの絵本を作りました。細部まで描きこまれた猫の描写からは、「猫」という生き物の存在感を感じずにはいられません。
作品では猫たちのある特別な日の様子が描かれます。夜中になって、待ちわびたものを見ようと集まり、空をいっせいに見上げる猫たちの様子が印象的です。人間の知らない猫の世界を垣間見たような、想像力が広がる一冊です。
とら猫とおしょうさん
おざわ としお/再話 かないだ えつこ/絵 くもん出版 2010.1 
ISBN:4-7743-1691-8
昔、貧乏なお寺の和尚さんは、とら毛の猫を「とら」と呼び、可愛がっていました。ある日、「とら」は和尚さんにお礼だといって、これからニ、三年後に起こる出来事を告げ、その出来事が解決出来るお経の文句を伝えて去って行きます。それから二、三年が経って、いよいよその出来事が起きました。和尚さんはいったいどうするのでしょうか。
和尚さんが「とら」と一緒にふとんに入っている様子の絵などは、和尚さんと「とら」との間に通いあう情愛が伝わってくるようで微笑ましいです。少し不思議で、そして温かな昔話の世界を味わってみてください。
むかしむかしとらとねこは…
大島 英太郎/文・絵 福音館書店 2009.4 ISBN:4-8340-2440-1
むかしむかし、とらとねこは山の中でくらしていました。とらはのろまで獲物を捕るのが下手で、すばしこいねこに捕られてばかりいたため、ねこに頼んで上手に獲物を捕る方法を教えてもらいます。上手に獲物を捕るようになったとらは、ねこに「もうひとつだけ、ぜひ知りたいことがある」と言い…。
とらとねこの生態をよく知っている中国の人々が生み出した昔話です。絵がしっかりと描かれていて遠目もきくため、読み聞かせにも向いています。
クリスマスツリーをかざろう
パトリシア・トート/文 ジャーヴィス/絵  BL出版 2018.11 ISBN:4-7764-0870-3
クリスマスといえば…「プレゼント!」という声が聞こえてきそうですが、クリスマスを彩るクリスマスツリーの絵本のご紹介です。クリスマスツリーの選び方や飾り方を分かりやすく紹介。飾り付けの終わった見開きいっぱいに広がるクリスマスツリーはキラキラしていて、心も弾みます。まずは絵本を読んでから、クリスマスツリーの飾りつけをするのもいいかもしれません。『クリスマスツリーをかざろうよ』ではクリスマスツリーの歴史も知ることができますよ。
きょうはそらにまるいつき
荒井 良二/作・絵  偕成社  2016  ISBN:4-03-232450-1
秋は見える星が少なくなるせいか、月の光がことさら明るく感じられます。この絵本は、そんな秋の夜にぴったりの「月」をテーマにした作品です。
 夕暮れの公園で乳母車に乗った赤ちゃんが大きな満月をじっと見ています。月を見ているのは赤ちゃんだけではありません。バレエの練習から帰る女の子、新しい運動靴を買った男の子、仕事を終えた親子や、夕食のかたづけをする老夫婦。公園のネコたち、山奥で遊ぶ熊、遠い海で泳ぐ大きなクジラまでもが、その輝きに魅せられています。
地上に生きるすべてのものを平等に優しく照らす月。何気ない日常の一コマと月の輝きをダイナミックで鮮やかな絵が彩ります。何か大きな出来事が起こるわけではありませんが、読後もう一度本を開きたくような一冊です。
はっきょいどーん
やまもと ななこ/作 講談社 2015.9 31cm E ISBN:4-06-133259-1
「はっきょい」というタイトルからわかるように、この絵本は相撲の千秋楽、優勝を決める大一番を描いた作品です。小兵の力士「明の海(あけのうみ)」が最強の横綱「武留道山(ぶるどうざん)」に挑みます。
「どーん」と、ぶつかりあう身体と身体。小兵力士が大横綱に押され押されて、土俵際足の指だけでのこっているシーンは圧巻です。全ページ迫力ある場面構成でその場にいるような気分を味わえます。
「絶対に負けるもんか!」とふんばる「明けの海」の表情にご注目ください。