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池浦館長

更新日:2014年12月1日
地域の歴史が、宝になる

 秋らしさも束の間。あっという間に、もう師走です。

 慌ただしい中ですが、年末年始の緊張感というのもまた寒さとは違った、気が引き締まるものがあります。来年には2回目のコミセンまつりが控えています。開催のサポートに向けて、スタッフも準備に拍車をかけているところです。

 さて、先日知人から“鯨(くじら)学校”の話を教えて貰いました。

 東区塩浜にある和白小学校は、もともと明治6年に「奈多小学校」として開校。明治25年に「和白尋常小学校」という名前の変遷を辿るのですが、通称として”鯨学校”と呼ばれていたのだそうです。
 明治14年の初夏、地元の方々が小学校の立派な校舎をつくりたいと思って苦慮していたところ、奈多の北浦にクジラが入って来ました。当時は「鯨一頭で七浦賑わう」と言われたほど、クジラは大きな富をもたらす獲物でした。
 そしてクジラを捕る為に船を壊す程の荒い漁をおこなった漁師の網元、問屋が「自分たちの取り分は要らない、そんなことをしたら末代まで汚名を残す」と言い、そっくりそのまま利益を学校建設に使うことで立派な校舎ができたことが、鯨学校の由来なんだそうです。

 この鯨学校のケースのように、私たちのいる地域には、私たちが気がつくずっと前から、人々が次の世代や社会につなげていく、奉仕する気持ちがあったことをとても嬉しく思います。今後、和白5校区に残るこのような話を含む、校区の成り立ち、持っている文化や歴史を、調べたり残したりしていきたい。その仕事こそが、コミセンわじろでできることなのではないか。私どもはこれからも、当館だからこそできることは何かを考えながら進んで参ります。

 
 さて、2014年も余す所僅かとなりました。今年も利用者の方々をはじめ、多くのみなさまのあたたかいご支援ご指導を頂き一年を過ごすことができました。厚く御礼申し上げます。

 来年2015年も、変わらぬご愛顧をお願いいたします。



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