『わたしのかさはそらのいろ』
女の子は傘屋さんで、晴れた日の空の色だと気に入り青い傘を選びました。そして新しい傘をさして雨の中を野原へ出かけます。
野原では、子ネズミやら子ウサギやら、鳥や虫、そして女の子の友だちが「いーれて」と声をかけては、傘の中に入ってきました。ずんずん広がる傘の下で、歌い遊ぶ女の子たち。やがてみんなは雨上がりの空を一緒に見ることになります。
見上げる女の子の頭上に晴れやかに広がっていく、空のような傘の青さを描いた場面はとても印象的です。柔らかで温かく透明感もある絵が、女の子が傘と一緒に体験する楽しい夢のようなひと時を優しく包み込むように伝えてくれています。