『はかせのふしぎなプール』
プールにでも入りたい暑い日々となりましたが、もしも、こんな不思議なプールがあったらどうでしょうか。このプールに入るとなんでも大きくなってしまうのです。 発明したのは「はかせ」です。「じょしゅ」に、このプールのすごさを証明しようと、色々な物を入れた実験を見せます。読者も「じょしゅ」と一緒になって、プールから飛び出して見えている部分だけから想像し、何がいったい大きくなったのかと考えながらページをめくります。 グラフィックデザイナーである中村至男さんの、はっきりとした輪郭線と明晰な色調の絵が、プールの青さと、プールに入った物の形の印象をくっきりと目に残してくれます。次々に大きくなった物たちは、いったいこの後どうなったのか。実験に携わった二人はどうなるのか。二人の言葉のかけあいの面白さとともに、微笑みながら絵本のその後を想像したくなります。