『のりもの』
昔、サーカス列車の最後尾につけられていた青い貨車ルーシーは、今は線路脇に捨てられてひとりぼっち。しかし、ルーシーは、大きな機関車たちの中で同じようにひとりぼっちだった小さな機関車シュッポと友だちになりました。ある大雪の日、急行列車が立ち往生してしまいます。皆が困り果てた時、助けようと飛び出していったのは、除雪車として働いたこともあるシュッポでした。ルーシーの応援を受けたシュッポは無事に急行列車を助け出せるでしょうか。
1951年に初めて出版された本書は、フリーマン夫妻の初めての共著。夫妻は実際に操車場のそばに住んでいたそうです。貨車や機関車などの乗り物たちと鉄道で働く人たちが、表情豊かに会話し合い、助け合って暮らす様子は、見ているだけで楽しい気持ちにさせてくれます。柔らかく勢いのある線と淡い色彩の絵も、幸せな結末の物語にとても合っています。