おばけのひっこし

さがら あつこ/文 沼野 正子/絵 福音館書店 1989.6 ISBN:4-8340-0878-9


昔、ある身分の高い男が、子どもがたくさんいたもので、住んでいる家が手狭になり、京の都に家を探しに行きました。理想の大きく立派な家をみつけたものの、そこにはお化けが出るという噂があったのです。しかし、そんなことはものともせず、さっそくその家で一夜を過ごそうとする男を脅かそうと、住み着いていたお化けたちは、次々と現れ出てくるのでした。
ふわふわと光るだけ、といった強そうではないお化けたちが、なんとかこの家に居続けたいという思いで男を驚かせる様子はいじらしく、読んでいると、お化けの側を応援してあげたくなりました。日本画風の筆遣いで描く愉快な場面の連続が、昔々の京の都に、こんな人間とお化けの珍騒動が本当にあったかもしれない、と楽しい想像を膨らませてくれる絵本です。

せかいのむかしばな

今月のテーマ『鬼(おに)さん、おばけさん、ようかいさん

2月の節分(せつぶん)の日には鬼(おに)にまめをまきますね。
2月と3月は、鬼やおばけ、
ようかいなどが出てくる本をあつめました。

どこかふしぎで、
ちょっとこわいけれどかわいらしさもある、
にんげんではない、
いきものたちのせかいをたのしんでください。



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